基礎体温

思索の試作。詩作の施策。

掲出場所による機能変化

ラーメン屋に行くと、お店のカウンター上にその店のこだわりポイントが書かれていることがしばしばある。スープや麺の材料や製法、チャーシューなど具材へのこだわりが熱く語られており、その店がひとかどならぬ情熱を注ぎ込んでいることがわかる。

 

しかし、このアピールの掲出場所について、1つの疑問が生じる。これは店内ではなく、本来であれば店の外にこそ掲示されるべきものではないか。すでにカウンターの席に座り、ラーメンが出てくるのを待つ客はほぼ間違いなく逃げはしない。その客に向かって、己のラーメンへのこだわりをアピールすることは、否応なく期待を高め、これから出てくるラーメンへの採点基準をいたずらに上げてしまう効果を生む恐れがある。

 

もちろん、このラーメンが期待通り、あるいは期待を超える出来であれば問題なく、むしろリピーター客をつくる結果につながるであろう。だが、かなり味に自信がない限りは、リスクの高い方法ではないか。実際、こんなにこだわっているのになぜこの程度の味なのかと、がっかりさせられるお店も多々ある。

 

こだわりを表現することはよいことだと思うが、すでに席についた客ではなく、お店に入ろうかどうか迷っている客にこそ、アピールすべきではないだろうか。

 

※もちろん店の前(入り口)でこだわりアピールを掲示している店も多いが、店内にだけ掲示しているお店も多いので、もったいないと思い、書いた次第である。