基礎体温

思索の試作。詩作の施策。

任天堂のコントローラーとユーザ体験について

Gunosyでいつの間にかやたらゲームのネタばかり届くようになってしまった。最近は落ち着いたが、いっとき多かったのが任天堂の記事。大幅な経常赤字の発表と今後の戦略についての賛否だった。ハードへの執着を捨て、スマホにソフトを出していくべきか否かについて、まさに賛否両論で、私が見たなかでいうと、スマホ化に大きく舵を取らないことに対して批判的な声が多かった。 

 

いちファンとしては、スマホでマリオやゼルダがプレイできるようになったら、価格にもよるが、つい買ってしまうだろうと思う。価格としては、初期ファミコンのもので300~400円くらい、高くても600円までなら、個人的には買ってしまうラインだと思う。 

 

ドラクエが1を無料で配布したように、たとえば最初のスーパーマリオを先着で無料配布したら、すごいことになると思う。それに加え、初期の名作を300円くらいで売り出したら、けっこう収益は上げられるのではないかとは思う。 

 

ただ、任天堂はこれをしない。少なくとも、今の時点では絶対にしないと明言している。このことの是非については様々な人が語っているが、私としては、良質なゲーム体験という観点からみてみたい。 

 

ハードがもたらす体験価値

マリオやゼルダをもしスマホに移植したとして、どんなにがんばったとしても操作性の点ではコントローラーに劣ってしまう。ある程度、スマホ向きに改良できるとは思うが、それでも、元々持っている操作の快適性、たとえばBダッシュでジャンプしたときの気持ちよさは損なわれてしまうだろうと思う。しかし、スーパーマリオについては、Bダッシュジャンプの気持ちよさこそがあのゲームの要であり、ゲームバランスの多くを担っている部分である。 

 

つまり、ソフトとハードを切り離すということは、元のゲームが持っていた、感覚も含めた何かを失うことでもある。もちろん、そもそも任天堂にとってハードから得られる収益が大きいため、そこを容易には手放せないという事情もある。しかし、ユーザ体験にとって何がベストかを考えたとき、まだスマートフォンというデバイスは、任天堂にとって参入できる段階にはないということも、理由としてあるのではないか。 

 

ただ、1ファンとしては、もっと気軽に過去の作品をプレイしたいという欲求はあるので、過去のソフトをダウンロード購入して遊べる、5000円~8000円くらいのハードを出してくれないかと思う。ゲームボーイアドバンスのようにコンパクトな形で、wifi接続すれば過去のゲームが300円くらいでダウンロード購入できるハード。あるいは月額980円くらいで遊び放題にするか。要はバーチャルコンソール専用ハード。子どもの頃、ほしかったけど手に入らなかった数々のゲームがプレイできるので、いわゆるファミコン世代には刺さると思うのだが。 

 

大きすぎるコントローラー

ちなみに、Will Uが売れなくて困っており、ソフトが不足しているなどいろんな要因が語られているが、個人的に踏み切れないのは、あのコントローラーの不必要な大きさのせいである。 初代ファミコン以降、バーチャルボーイを除くすべての任天堂ハードを購入してきて、ピクミン3が出たときには相当迷ったが、それでも私がまだWii Uを買う気になれないのは、あのコントローラーを持ちたいと思えないからだ。

 

Wiiリモコンを見たときには、とにかく早くあれを握ってみたいと思ったし、ロクヨンの3Dスティックはついついぐにぐにと動かしたくなる魅力があった。Wii Uに関してはあのコントローラーによるデュアルスクリーンに大きな意味があることは重々わかっているのだけど、お店で実物を見るたびに、あれを持ちたいとは思えないのだ。まだ手が小さい子どもに至ってはどうするのだろうか。

 

ただ、今度マリオカートの新作が出るし、まだまだこれからWii Uには挽回してもらいたいというのがファンとしての願いだ。