基礎体温

思索の試作。詩作の施策。

忘れじの尺八気分

大学時代に尺八部に入っていた。

別に興味があったわけではない。新歓時に無理やり勧誘されたまま、1年生は飲み代がタダなのをいいことに居座っていたら、2年になったときに部長にされ、やめられなくなった。

なんせタダ酒目当てだったものだから尺八にも古典邦楽にもあまり興味はなく、一応練習はしていたが、それほど真剣味もなかった。そんなわけだから、なんだかんだと大学に6年もいてしまったが、尺八は一向に上達しなかった。

大学を卒業した後は、すっかり尺八から離れてしまい、数年間まったく触らなかった。ある年にOB定演に誘われ断れず、そのときは久々に練習したが、演奏会が終わればまたぱったりとやめてしまっていた。

それが、今年になってからなぜかふと竹を吹きたくなり、やってみたら何だか妙に楽しいのだ。なぜなのかはわからない。大してうまくはないのは昔と変わらないのだが、しっくりくるというか、自分で鳴らしている感じがする。そうだ、以前はいつも乗せられているような感覚だった。今は自分から乗り込んでいるような感覚なのだ。

くり返すが決して上達しているわけではない。技術的には進歩してはいない。だが、自分からやる気になっているのは個人的には大きな変化である。

この頃では、週末に竹を持って近所の総合公園に行きやおら吹いている。人前で軽く吹けるくらいの技術には持っていきたいと思う。